先日、「効果的な広告の出し方」について解説したのですが、その中で、惰性で広告を出してお金を無駄にするのであれば、その分を既存のお客様のフォローに充てる方がよっぽど、次の売上や集客につながるというお話をちょっとだけしました。
そうしたところ、その理由や方法についてのお問い合わせが相次ぎました。
そこで今日は、それに対するお答えをお話したいと思います。
御社では、既存客リストの扱いをどうされていますか?
これまで商品をご購入頂いたお客様などに、御社の一方的なタイミング(都合)だけで、新しい商品のお知らせやキャンペーンなどのメールだけを送っていませんか?
心当たりがあるのであれば、この部分の改善が必要です。
まったく御社と接点のないお客様よりも、一度でも御社で購入・利用したことがあるお客様の方が、御社、また商材を知って頂くためのプロセスは大幅に短縮されます。
まったくの新規のお客様よりも、既存客のお客様へのアプローチコストは12分の1と言われています。
確かにそうですよね。すでに御社のことや商材を知っているわけですから。
ウェブマーケティングの世界では、いかに会社や商品の情報を知って頂き、理解して頂くことが、購入動機につながりますので、その分のコスト(時間、お金、労力)がかからない既存客の方が効率の良いお客様ということになります。
だからこそ、多くの広告費をかけることができない中小企業においては、こうした既存のお客様に対して、購入後のフォローを篤く行うことで、コストを低く抑え、売上につなげることができます。
さて、ここで、リピートが見込まれる消耗品などを扱っているのであれば、使い切りの頃を見計らってフォローメールなどを配信することで、リピート促進ができるのですが、リピート性が低い商材の場合はそうはいきません(車、布団、お墓、家などの高額商品や嗜好品など)。
ここで、もう一点、既存客のフォローを行うメリットがあります。
それが、既存客(利用客)からの「ご紹介」です。
なぜ、既存のお客様からの「ご紹介」があるのかと言うと、既存のお客様は、実際にご購入頂いていますので、その判断に正当性を求めたいという気持ちをお持ちになっています(この商品にお金を払って良かったんだと言う“言い訳”)。
さらに、実際にお使い頂いてご満足頂けている状態であれば、それをご紹介したいというお気持ちになっていらっしゃいます。
ここで、「ご紹介」されるのを待っているのではなく、既存のお客様へのフォロー(メール)を配信し、直接的に「紹介」をお願いするようにします。
セールスやキャンペーンのメールは平気で出しているのに(お客様は嫌がるのに)、「紹介をお願いする」メールは、あまり出されている方がいません。
とっても不思議です。
自社商品に自信があり、お客様にご満足頂けると確信しているのであれば、自信を持って「紹介して頂けるよう」お客様にお願いをしましょう。
これは誰も損をしないご提案です。
ご紹介したくなければもちろんしなくていいですし、ご満足頂きお薦めしたいと感じて頂ければご紹介頂ければ良いわけです。
さて、気になるのは、ご紹介を促す方法だと思いますが、ここでポイントになるのは、ご紹介に対する「報酬」ではなく、「ご紹介方法」を明確にお伝えすることです。
もちろん、「ご紹介料」という報酬を用意することでご紹介を促進することもありますが、お客様の中には「友達をお金で売った」と捉えられる方も少なくないので、それよりも「どうやって紹介したらいいのか」を説明してあげることが大切です。
また「紹介の仕方」の説明だけでなく、お客様がご紹介をしやすいように「ツール」などを用意、提供していくこともご紹介が促進されるポイントになります。
例えば、ご紹介用の文章だったり、プリントアウトできるご紹介シートや、お友達にお配り頂けるようにご希望者にサンプルをまとめて送付するなど、ご紹介促進のための「ツール」を用意して利用してもらいます。
もちろん、こうした「ご紹介グッツ」もコストがかかりますが、無駄な垂れ流し広告にお金をかけているよりも、こうした紹介促進ツールや施策にお金をかけたほうがよっぽど効果的だというのは、こういう意味からです。
さらに、先ほどもご説明しましたが、既存客は購入したこと(購入に至った判断)を“肯定”したいので、次につなげるために、その心理をお借りします。
これに効果的なのが、前回の記事でお伝えしました「レビュー」です。
最近では、ソーシャルメディアなどの普及により、多くの方が商品の購入者や利用者のご意見を参考にして購入判断していることが増えています。
特にすぐに手にして確認することができないインターネットでのビジネスの場合、こうした「レビュー」が集客や売上の大きな力となります。
この「レビュー」においても、自然発生的に書かれることを待っているのではなく、レビューを書き込んで頂くために、こちらから働きかけを行っていきます。
例えば、1つはモニター募集です。
人数限定・期間限定でモニター募集をかけ、商材は無償で提供する代わりに、必ずレビューを書き込んで頂くようにします。(そのために「レビュー」機能を用意しておく)
さらに、既存のお客様への働きかけとして、商品配送時に、「レビューキャンペーン」として、チラシを同梱し、「レビューを書き込んで頂いた方の中から毎月抽選で○名様にプレゼント」というキャンペーンを展開しても良いでしょう。
もちろん、こちら施策もプレゼントなどのコストがかかりますが、確実に「レビュー」が増えますので、これを集客や売上に活用していきます。
何も戦略設計のないまま広告を出すより、非常にリーズナブルな方法です。
ウェブでビジネスを行うというのは、ホームページに商品を掲載して、ブログやメルマガを書いて、ソーシャルをやって、広告を出して・・・ではなく、もっと効率的に、お客様と共にレバレッジを効かした「しかけ」「しくみ」を準備し、展開していくことが成功の早道となります。
今、もしこうしたことをバラバラにやっているとしたら、正直、時間とお金の無駄です。
“使える”各パーツを効果的に組み合わせることで、より少ないコスト、労力で成果へと結びつけることができます。
「○○するだけで、不労所得を得られる」という手法に比べるとかなり地味ですが、正直、そうしたテクニック論よりは、確実な集客や売上増の足固めになることは確実です。
もちろん、これには継続的な情報発信と、既存客へのフォローを怠っていては成就しません。
「しかけ」と「しくみ」という土台と、情報発信という行動、そして、その骨組みとなる戦略設計がひとつになった時、大きな効果を生み出します。
既存のお客様のフォローも効果的に集客や売上につながるよう、そのための「しかけ」「しくみ」作りに注力していきましょう。
今日も最後までお読み頂きましてありがとうございます。
それでは、また。
いつもありがとうございます。