Facebookなどでもお知らせしているのですが、今、午前中は、日系の会計事務所で会計の仕事の手伝いをしています。
毎日、アメリカ企業のBookkeeping(簿記)とPayroll(給与計算)と、それに伴う税金計算と納税代行を行なっています。
この仕事を始めて、9ヶ月ぐらいになりますが、ようやく財務諸表の見方が分かってきました。
Bookkeepingでは、Income Statement(Profit & Loss:損益計算書)と、Balance Sheet(貸借対照表)を作るので、これらを見ることで、会社の様子を知ることができます。
単純に「今月は売上が上がった」からと言って、儲かっているわけではなく、その売上を生むための経費がどれぐらいかかったかによって、会社(お店)の儲けが決まってきます。
こうした損益計算書(PL)と貸借対照表(BL)をきちんと読み解くことで、会社が儲けの体質になっているかが分かり、また、改善ポイントなども分かるようになってきました。
これまでは、マーケティングコンサルとして、外の施策(集客や販売)について、経験と知識があったのですが、今、この会計業務を通じて、会社の内部、特にお金の流れを知ることで、両面からのビジネスの改善策を見つけることができるようになりました。
この財務諸表の中で、経営者が知っておくべきポイントがあります。
それは、「損益分岐点」です。いわゆる、「どのポイントに来たら儲かるか」の指標です。
損益分岐点=固定費÷粗利率
で算出することができます。
例えば、飲食店を営んでいて、従業員の人件費が、月2万ドル(約200万円)。
その他の固定費(家賃や光熱費など)が、月1万5,000ドル(約150万円)かかったとします。
そして、粗利率が70%だったとします。
(※ 粗利率は、変動費÷売上高)
この場合の損益分岐点は、
(2万ドル+1.5万ドル)÷70%=5万ドル(約500万円)
となります。
この計算で言うと、5万ドル以上の売上が上がったら、儲けが出ると言うことになります。
これは、損益計算書をきちんと付けていないと見えてきません。
問題は、その損益分岐点が、現在までの売上高が達していない場合です。
損益分岐点の計算式のように、
損益分岐点=固定費÷粗利率
※ 粗利率は、変動費÷売上高
になりますので、
・固定費、変動費を下げる=経費節減
・売上高を上げる
と言うのが対策になります。
固定費は、お給料などの人件費や家賃や光熱費などお店や会社にかかる経費で、ビジネスを運営する上で欠かせないものになりますので、余計なものがあれば削減しますが、必要以上に削減することができないものです。
変動費は、仕入れなどの部分になりますので、仕入れ先を変える、仕入れ価格の交渉などがありますが、ここを削減すると、品質が下がってしまうリスクを伴います。
あとできることは、「売上高を上げる」と言う部分になりますが、売上高は、
売上= 単価 × 客数 × 回転数
で決まりますので、それぞれの部分の改善をする必要があると言うことになります。
この部分は、また別の機会に解説したいと思います。
こうして、損益計算書(Income Statement、Profit & Loss)を見て、損益分岐点を計算することで、現在の状況、また、目標を明確に把握することができます。
一度、あなたのビジネスのお金の流れを見直してみて下さい。
対策が見つかるはずです。